こころまちギフトのストーリー

『こころまち(心待ち)』ギフトに詰められたストーリー

大事な人への贈り物…。

頑張っている自分へのご褒美に…。

贈る人も受け取る人も、そのギフトが届くのを心待ちにするようなこころ温まる仕掛けがされているのが『こころまちギフト』の一番の特徴です。

日本の文化に配慮し、季節の『旬』にこだわり、農家さんのこだわりに寄り添い、そして贈り手の気持ちに寄り添うことこそが『こころまちギフト』のメインストーリーとなっています。

 

日本の文化への配慮

畳の上に風呂敷に包まれたお歳暮が置いてある写真

 

たとえば、皆さんもご存知のように日本の文化にはお歳暮を贈るというものがありますね。

一般的には12月20日前後くらいまでに贈るのが良いとされています。

ですが、年末は帰省されて家を留守にする方も少なくないと思います。

その時期に果物などをはじめとした生ものをお届けするのは、若干ためらわれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方のために、可愛らしいメッセンジャー(ウッドクラフトの贈り物)が最高の時を迎えたタイミングでポンカンをお届けする事を伝えに参ります。

 

お歳暮のお知らせを届けに行くメッセンジャーとしてのウッドクラフト(干支・妖精・猫)

 

このメッセンジャーはいくつか種類があり、その年の干支や、猫好きの方に向けたネコちゃん、犬好きの方たちに向けたワンちゃんなどから選べるようになっています。

そしてそのメッセンジャーがしっかりとお歳暮に感謝の気持ちをお届けするという大役を果たした後、年明けに完熟のポンカンをお届けにあがるという農業の新しい仕組みへの挑戦が『こころまちギフト』の意義でもあります。

 

 

『旬』へのこだわり

農業にかかわる人は皆、もっとも美味しい状態をお届けしたいと思っているものです。

ですが、それを邪魔するような既存の仕組みがあるのです。

お歳暮などのように時期が決まっているものは、それに合わせる事が優先されて、本来一番大事にしなくてはならない『旬』にこだわれないという実情があります…。

 

完熟するまえに収穫されるポンカン・タンカン

 

屋久島でも12月20日くらいまでにお歳暮商品としてポンカンが出荷されていきます。

この期限に間に合わないものは、商品価値が著しく落ち、最悪の場合では買い取ってもらえないということがおきます。

ポンカンの一番美味しい時期は1月なのに…。

そうなんです、農家さんはみんなポンカンを12月に収穫することがとても勿体無いことだということを知っているのです。

それにも関わらず、1年間愛情をたっぷり注いでやっと実った果物を買い取ってもらえないというのは、絶対に避けたいというのは容易に想像がつきます。

 

これは誰が悪いという問題ではなく、古くなってしまった農業における既存の仕組みの問題なのです。

こころまちギフトは、「日本の文化への配慮」でもお話したメッセンジャーを先にお届けする事によって、贈り手が大事にしたいお歳暮の時期と、一番美味しい『旬』の状態を食べてもらって贈った相手に喜んで貰いたいという想いの両方を実現させています。

農家さん・贈る人・受け取る人、みんなが望む理想のかたちが完成したのです。

 

農家さんのこだわり

バナナやパイナップルなどもそうですが、はじめて完熟のものを食べた人は衝撃を受けると思います。

バナナの香り高い甘みとほのかな酸味…。

パイナップルは舌がヒリヒリするのが普通だと思われていますが、完熟はもの凄く甘くて、本来舌には全く刺激が残りません…。

同様に、ポンカンも完熟を食べたらその甘みに驚きます。

本来の果物の味は、『旬』の時期にしか味わえないのですが、残念ながら多くの人にはその味は届いておりません。

 

樹の上で完熟を迎えるポンカン・タンカン

 

だからこそ、そのことを誰よりもよく知っている農家さんは、最高の果物を、最高の『旬』の状態であなたにお届けしたいのです。

1年間愛情を注ぎ、手間暇かけて育ててやっと収穫できる果物ですが、収穫したあとも収穫時に傷がついてないかどうか確認するため、3日ほど寝かせてからチェックし、箱詰めしています。

こうすることで、少なくても農家さんの元を離れるまでは完璧な状態に保つことができ、お客様に届いたときに痛んでいるということを極力無くそうと心がけています。

 

箱詰めされたタンカン

 

農家さんのこだわりは畑だけのものではないのです。

どの行程が欠けても最高の『旬』の状態はお届けできなくなってしまうので、農家さんのこだわりにはいつも感心させられます。

 

農業の架け橋となるクラフトづくり

この想いをつなぐというコンセプトを考えた時、まっさきに頭に浮かんできたのが屋久島の南部・平内という集落でアセンス工房をやっている山田さんの顔でした。

アセンス工房・山田さんの笑顔写真

 

工房には、想いのこもった優しいテイストが溢れでる作品が並んでいます。

この「こころまちギフト」の意義を伝えると、快く協力を受け入れてくださいました。

実を言うと、このこころまちギフトを思いついた私自身の結婚式でもオリジナルの引き出物を作っていただいた経験があります。

妖精のようなマスコット(左はクスノキ、右はヒノキ材を使っています)

 

その木目にもこだわりぬいて適材適所を決めて、それがやがてクラフトに命を吹き込んでいきます。

同じような形のものを作ったとしても、みんなそれぞれ違う表情・個性が宿っているのです。

これは単純に木から削り出しただけでは、絶対に生まれてきません!

そこには作り手の愛情とこだわりが不可欠なのです。

申年をモチーフにした木工クラフト(タンカンを手にしている)

 

今でもひとつずつ自分の手の感触を感じながら命を吹き込み続けている山田さん。

そんな山田さんから産まれた作品たちを、あなたの大切な使徒(メッセンジャー)として選んであげてください。

流通や販売といった既存の枠組みが、農家さんがもっともこだわりたい『旬』にこだわれなくしているのです。

 

よりよい『農』の仕組みを追い求めて…

このサイトを作っている私は、ここで紹介している農家・日髙さんのもとで収穫のお手伝いをさせてもらっています。

農園にて、日髙真一郎さんとみふ子さんの農作業風景

 

そんな収穫作業の合間だったり、10時や15時といった畑での幸せなお茶タイムの時にいろんな話をします。

ポンカン・タンカン収穫作業中の休憩風景

 

その中で、作業をしている私でさえ、

「なんでそんな農家さんにとって不本意のことをしなくてはいけないの?」

「なんでもっと美味しい『旬』の時期に収穫できないの?」

「なんで…?」

なんで…という『?』が何個も何個もうまれてきました。

タンカンがキャリーにいっぱい詰まっている写真

 

みんながこうした方が良いというのを知っている。

けれども、それが出来ない。

そういう場合は往々にして仕組みの問題であることが多いです。

ただ簡単に仕組みと言っても過去から何十年も続いたものを変えるのは容易ではありません。

 

ですから、自分たちから変わることにしたのです。

農家さんはどうしても販売の部分が苦手な方が多いです。

私も販売は専門分野では全くないのですが、仕組みを変えたら良くできる!ってことを実感してしまった以上、やるしかありません。

そんなことをミカンをちぎりながら考えていたら、ウキウキするような考えがどんどん浮かんできて、この「こころまちギフト」の形ができたらいったいどれだけの人たちが幸せな気持ちになれるんだろうといった妄想が止まりませんでした(笑)

 

農家の日髙さんと夢を語り、工房の山田さんとも夢と想いを語り、関わる人の全てが楽しくなってしまうような仕組みを作ろうと職業の枠を越えて立ち上がりました。

そして、「こころまちギフト」の商品を気に入って利用してくれたあなたもまた、この新しい仕組みの仲間です。

あなたという最後の1ピースが揃わなくては、この仕組みは完成されません。

もっと言えば、あなたから贈られたギフトで笑顔が生まれ、その喜びがあなたの喜びに昇華し、更にはそれを知った日髙さんや山田さん、そして私までも幸せな気持ちでいっぱいになったところで、ようやくこの新しい仕組みは完成するのです。

まごころ果樹園のオーナーご夫妻の最高の笑顔

 

これが「農」のひとつの新しいモデルとして広まれば、農業の可能性もまた広がってくるのではないかと思っています。

まだまだ色んな新しい仕組みの形があるはずなので、どんどんそういう仕組みが世の中に出てきたら先駆者のひとりとして私たちも嬉しいです。